ゼニカルの副作用は主に下痢や腹痛などの消化器障害
ゼニカルの有効成分オーリスタットがもたらす作用は、ときおり軽度の副作用を招く原因となります。ゼニカルの使用を続けていくことを考えているのなら、副作用のリスクについて十分に理解しておきましょう。
ゼニカルは、腸内で作用して脂肪分解酵素の働きを阻害することから、消化不良のような状態になります。
ゼニカルの主な副作用は、腹痛や下痢といった消化器系の症状です。油分を多く含んだ柔らかい便(軟便)の副作用は、ゼニカルの効果が正常に発揮されている証拠でもあります。
ゼニカルによる消化器系の副作用は軽度の場合が多く、基本的には短期間のうちに消失します。
普段からお腹がゆるくなりがちな方などは、ゼニカルを服用する際に下痢などの副作用に備えて対策を行っていると安心です。
油分を多く含む便は、ゆるゆるになりやすいので、おならと一緒に排泄されてしまうこともあります。生理用ナプキンや尿漏れパッドなどを活用すると、外出時であっても油の漏れ出しに対処できます。
胃腸に関連するゼニカルの副作用は、個人差がありますが大抵1週間以内に落ち着きます。長引く場合でも4週間ほどで軽減していきますが、数ヵ月続くケースも確認されています。
ゼニカルの副作用があまりにも長引いている場合や症状が辛い場合には、病院で医師の診察を受けてください。
ゼニカルはまれに肝障害や腎障害などを起こすことがある
薬を服用する前には、重大な副作用の可能性について事前に知っておくことが大切です。ゼニカルは、ごくまれに肝臓や腎臓に障害が現れる可能性があります。
重大な副作用は、重症化するおそれがありますので、疑われる症状が出た場合にはゼニカルの服用を中止して、医師に相談してください。
肝臓は、体内に吸収した成分を分解したり解毒する機能を持つ臓器です。ゼニカルに配合されている有効成分オーリスタットは、肝臓の働きによって体外に排出される準備が行われます。
その際に、オーリスタットの影響を受けて副作用に繋がることがあります。痛みなどの分かりやすい症状はありませんが注意が必要です。
肝臓に障害が出ると、肌や白目が黄色くなる黄疸や皮膚のかゆみなどが現れます。また、倦怠感や食欲不振も肝障害によって生じる可能性があります。
胆のうや胆管に結石が生じる胆石症の発生リスクが高まることも報告されています。大きな結石ができると激痛を伴うことがあるため用心してください。
腎臓は主に尿を作る役割がある臓器です。肝臓で分解しきれなかったゼニカルの有効成分が通過することで、腎障害を起こす可能性があります。
腎障害は、排尿時に変化が現れやすいのが特徴です。尿の量が減少したり、血尿がある場合にはゼニカルの服用を中止してください。
ゼニカルは肺がんリスクを高めるって本当?
ゼニカルは世界的に知られており、多くの利用者がいる医薬品です。利用する方が多い分、副作用についてもいろいろと調査されています。
調査が行われている中で、ゼニカルには肺がんのリスクを高める可能性が指摘されることがあり、副作用の中でも特に注目されています。
実際に、ゼニカルの服用者が肺がんになった症例は確認されています。
しかし、ゼニカルを飲んでいたことと肺がんを発症したことの関係性には科学的根拠が証明されておらず、現状ではゼニカルを服用したからといって、肺がんリスクが高まると言い切ることはできません。
ゼニカルを使用していた方が肺がんになっていたことは、栄養の偏りが原因だと考えられます。
健康な方がゼニカルを使用しても大きな問題にはなりませんが、元々持病があるなどの理由で栄養の吸収や分解に関わる臓器に問題があれば、極端な栄養不足から免疫力が低下してがん細胞の抑えられなくなる可能性があります。
肺がんのリスクについては、基本的に心配する必要はありませんが、ゼニカルの服用中は免疫力が低下しないようにバランスの良い食事を心がけましょう。
なにか持病がある場合には、担当医にゼニカルを飲んでも大丈夫か相談してから服用するようにしてください。